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高江のミステリーサークル

f:id:ikapot:20161108175502j:imageドローンで撮られたミステリーサークルのように森の木が刈り取られた動画

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/63040
を見た時に、あ、やられてしまった、今年8月に行ったときにはあんなもんなかったのにと思った。それを自分の目で確かめたかった。高江のヘリパッドの話です。今は知り合いや友達には社会問題に関心ある人が多いのでついつい内輪で通じる言葉みたいなのを使っていることや、こんなこと改めて書くまでもないかななんて思って大事なことすっ飛ばしてることもあるかもしれない。

でも今回は知らない人にも聞いてもらいたいなという思いがあるので、遠くの友達に話しかけるように書いてみようかなと思います。そんなことは知ってるよ、という方は適当に読み飛ばしてください。沖縄県の北部に高江という場所があってそこに米軍のヘリコプター、それも米国で事故を起こしまくって未亡人製造機と呼ばれているオスプレイというヘリと飛行機が合体したような軍用機の離着陸するヘリポートを作ろうとしている日本の中央にいる人間とそれに反対している沖縄の人がいるという話です。

高江は沖縄の北部にあり、那覇から車で2時間半くらいで南部や中央あたりに比べると地味で遠浅のビーチは少ない。ここにヤンバルクイナがいる森と山、滝があります。あとパインナップル。今回で高江に行くのは2回目なんだけど何もなければ静かでブロッコリーみたいな独特な形の木が沢山生えていて湿気のある森がなんとも言えない、いい匂いのする素敵なところです。そこにTBSのアンケートでは地元の74%の人が反対しているのに強引に基地を作ろうとしてる訳です。

11月1日に那覇空港からレンタカーを借りて高江に向かうのときに高速使わず下道で行ったら、嘉手納、読谷、キャンプ・シュワブ辺野古、北部訓練場、全部基地の名前をあげられないほど基地だらけだった。33箇所もある。沖縄には日本の基地の74%が集中していて、しかも面積は東京とあまり変わらないんですよね。前に観光で沖縄に来たときにはあまり気にしてなかった。自分は子供の頃大阪に住んでいて父の転勤で神奈川県の基地のそばに引っ越してきて、初めて戦闘機の爆音を聞いたときは、戦闘機に怒鳴り返しメンチ切りました。意味ないですけど。こんなとこ住みたくないなと思いました。戦闘機の絵とかよく描いていて木片を彫刻刀で掘って弾丸を作るくらいミリオタだったんですけど一気に冷めました。関係ないけど中二病も相まってめっちゃ暗い人間になり登校拒否して図書館に通うようになりました。その頃は神奈川県って基地だらけやんけと思ってたんですが沖縄は比較にならないくらい多いです。

 不勉強で知らなかったんですけど神奈川はもちろん本土にある基地は旧日本軍が作った基地を米軍が自分たちのものにしたそうで、沖縄の基地はそれまで住んでいた住民を追い出して農地を基地にしたんですね。しかもそれを住民を奴隷のようにこき使って作らせたんですね。全然条件が違いますね。もうありすぎるくらい基地があるのに、日米の政府が勝手に決めた合意で一部を返還する代わりにヘリパッドをつくるというのはどう考えてもおかしいなと。だいたい元々住民のものを返すだけでなんで別の土地を差し出さなきゃいけないんでしょうか。50年代に岐阜にあった海兵隊の基地も反対運動によって沖縄に移転して本土の人間は黙っちゃったんでしょうね。遠くにあるからいいやって。沖縄の人が本土の人に一番腹たってるのはそこじゃないかな。観光や沖縄のエンターテイメントの上っ面だけ掠め取って、本土の人間が勝手に持ってきた危険な基地には無関心でいること、原発もそうですよね。

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 高江に着いてダムの駐車場に車を止め仮眠して次の朝、メインゲートっていうところで集会をやるというのでしばらくそれに参加しました。沖縄の人はもちろん全国から300名近く参加とのこと、自分が聞いただけでも北海道、東京、大阪、那覇から抗議に参加している人がいました。そして奈良から来た部落解放同盟の若者もスピーチしてました。大阪府警の若い機動隊が反対運動をしている小説家の目取真俊さんに「どこ掴んどんじゃボケ、この土人が」と言い放った動画がテレビのニュースでも流れやっと中央のメディアも取り上げるようになって、差別問題として高江の抗議に参加したのだとのこと。自分のスタンスも自然保護の視点よりより沖縄の人を見下してる本土の人間が死ぬほどダサいやつやな、いいかげんしろと言いに来たのです。在特会(アメリカで言うオルタナ右翼)などのヘイトデモを行う人達に抗議するのと同じ気持ちでやってきました。

メディアと言えば沖縄タイムス琉球日報は毎日高江の抗議に取材に来ていて担当制ではなく社会部とか政治部とかいろんな部の人が交代で取材にきているとのこと。

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この日もメインゲートの集会が終わったあとヘリパッドを作るための砂利を積んだトレーラーがゲートに入るとの情報があり、抗議するために自分を含め10人くらしか残ってなかったんだけど、そのときも沖縄タイムスの腕章をした記者も残って取材していた。本土の新聞なんてこんなこと絶対にしないよな。その姿をみながらつぶやきました。警察や工事をすすめる側は抗議側の動きをよく観察していて、今日は南から、別の日は北からなど抗議活動の裏をかいてダンプをゲートの中に入れようとします。詳しくは書けないけどそのためにこちらも色々と考えてやっていって工事をなるべく遅らせることが重要です。いまは。

あとは世論というか本土の人がどれくらいこの問題に注意を注ぐかですね。

 

それにしても朝日新聞とかをチェックするとリベラルきどりの全国紙はこの問題の記事は少ないしすべてに置いてヌルいことしか書いてなくて報道特集サンデーモーニングとかの見る人が決まっている番組が頑張っているくらいかな。

それだけに実際に本土の人が自分の目でみることが次につながる。自分も一番最初は知り合いが企画した「標的の村」という映画の上映会をみて初めて高江のことを知り、その後に機動隊がヘイトスピーチをする動画を見てスイッチが入った。
https://www.youtube.com/watch?v=zm6NbNKIayk
そしてそれがテレビでも放送された影響だと思うけど言葉だけは丁寧でカメラのないところでは抗議をしている自分の足踏んできたり、肩でグイグイ押してきたりしてました。それでも沖縄県警はまだマシで大阪府警や福岡県警はヘラヘラ見下した態度で抗議の人を邪魔してきます。彼らも仕事で上司が決めたことを遂行するように仕込まれて来てるわけだから当たり前なんですけど、正当な理由もなく抗議する自分を5人がかりでしがみついてくるのは訳がわかりません。

 来る前に色々調べようとグーグルやyoutubeで検索するとネトウヨ、外国で言うで言うトロールという人たちが抗議をしている人達の言葉が汚いとか暴力をふるっていて機動隊が可哀想だということを自分で見てもないのに書き込んだり、動画を編集したりして抗議をしている側が悪者に見えるように工夫したものが検索の上位に出てきます。

 自分の目で確かめましたが抗議している人は非暴力、非服従です。

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抗議している側が激しい言葉で機動隊を叱り飛ばしていることもあるけど、これはヘイトスピーチではないです。機動隊は国家権力と物理的にも政治的にも圧倒的に優位に立っていて、その人間が土人だのシナ人だのと抗議する人間を揶揄していて、こちらの人間はいいかえしますよ。土人という言葉を放った人間を批判しないで抗議している人も言葉が汚いので反省すべきだというパターンの言説は嫌というほど見ましたが全然だめですね。そういう人こそ反省してほしい。

抗議は憲法で保証された権利だし、沖縄の人の抗議の言葉が汚いなんて全く思わなかった。

東京でヘイトデモに対するカウンターなんて機動隊があんな理不尽なことしたらもっと猛烈に抗議しますよ。

沖縄の人は優しいとか勝手にイメージ作ってませんかね。

警察は敵ではないけど目の前の理不尽に声を上げることをしなかったら力を持つほうがこちらのスペースに容赦なく入ってくるんですよね。

 

話は前後するけどメインの集会から離れてドローンで撮影された古墳みたいなヘリパッドがあるN1という場所をなんとか自分の目で見たいと思ったのですがその日は入れなかった。小高い丘のようなところからなら見えるかもという話を聞き、近くにいた方と一緒に丘に登るが見えず。好きなわけじゃないんだけど気なってしょうがない、あんな変なものないよなと。見えないので写真をもとに思わず絵を描いてしまった。冒頭の絵がそれです。

合意形成をすっ飛ばした政府がある日、突然作りだしたミステリーサークルです。

 

辺野古のテントから来たという方と話をするうちに、その日と次の日は辺野古テントに泊まらせていただくことに。名護署に勾留されている山城さんという抗議のリーダーの不当逮捕への抗議に参加しました。

 高江から車で一時間の辺野古ゲート向かいのテントで沖縄の抗議の歴史や気持ちを聞かせてもらった。辺野古のことも書きたいんだけど長くなるので省きます。f:id:ikapot:20161108202447j:image

あ、ひとつだけ書きたいことがありました。沖縄の運動の分厚さを感じたことがあって朝6時に辺野古から高江に向かっている時のこと、運転してる人が寄るところがあるといい、開店前のあるスーパーの駐車場に車を止めました。女性が一人で高江ヘリパッド反対のプラカードを持っていて、その方がビニールに包まれた差し入れのおにぎりを渡し、そのまま車には乗らず車は出発した。差し入れの為だけにその方は朝の時間を使って運動に力を注ごうとしているわけです。胸を打たれました。それぞれができることをやってるんですね。 

辺野古テントで使ってる車はまだ一年ちょっとしかつかってないのに16万キロも走っているとの事でした。地球4周分かな。

 11月3日には地元の方の案内でH地区というやはりヘリパッドが作られているところを見に山の中に入りました。「標的の村」にもでてきて昔、中学校の先生に話して貰ったことを思い出したんですけどベトナム戦争のときに米軍が訓練のために高江の住民にベトナム兵の役をやらせてそれを標的にしたりしてたんですよね。高江の森は熱帯の森なので本当にジャングルみたいです。ベトナム兵の役をやらされている時代から40年以上経っているのに構造はまったく変わってないんですね。流石に兵士の役をやらされたりはしないだろうけど植民地扱いはかわらないですね。いまも住宅を囲むようにヘリパッド作ってるわけだから、村自体が訓練のために家も標的使われてるのと同じなんですよ。

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 ヘリパッドが作られてる手前に有刺鉄線というか対テロ対策で使われる、鋭い歯がついて螺旋状の鉄線を切ったら回転しながら人を傷つけるという罠が仕掛けてありました。抗議する人をテロリスト扱いですよ。それだけ抗議している人を脅威に感じているということですが、本当に人が死んだらどうするんでしょうか。ネトウヨトロールは抗議している人が悪い、自業自得だとか言うに決まってるんですけど、自称リベラルの知識人やメディアは黙るか、それみたことかと発言し始めるんでしょうか。

当然ながら罠を避け、Hという場所を網状の防風ネット越しに見るとディーゼルエンジンと土を固める機械の音がしました。抗議の人が現れると待ってましたとばかりに防衛局と後ろ手に手を組んだ機動隊が20人位こちらを監視し始め、沖縄県警察の採集班がビデオカメラで抗議の人を撮影し始めました。ここは地盤がゆるいとかで固める工事をするために滑りやすい赤土の斜面にキャタピラの付いたシャベルカーで穴を掘ってるんですけど、そのすぐ下で人が地盤を固める作業していてかなり危険なことしてるなと。

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首相が所信表明演説で年内にヘリパッド完成させると言ったので焦ってるんでしょう。抗議の人が指摘するまでバイク用ヘルメットを被っていたとのこと。抗議側に、沖縄防衛局の人が「ここは立ち入りが許可されてません、直ちに立ち去ってください」とトラメガでアナウンスしてました。その人も何故か関西弁だったので「高江の人は工事許可してへんで。あんたらが帰ったら俺らも帰るわ。なんなら一緒帰ろうぜ」と言ったら黙ってしまった。

しばらく抗議したあと拠点であるN1テントに戻って来たら、また沖縄タイムスの記者がいて工事の様子や進み具合を聞き取っていました。本土の大手メディアはやはり来てなかった。

 

米軍兵が犯罪を起こしても基地に逃げ込んですごく軽い刑になってしまう。アンフェアです。それなのに自称保守の人はレイプされた方が悪いかのようなことを言っていて多くて生ゴミみたいな人達です。生ゴミならまだ肥料になって役に立つけど延々とネットに呪いのように気持ち悪いことを書いているひとは何の役にも立たないので考えなおしてほしいですね。

基地工事の警備をしている若者に自然の尊さをコンコンと諭す優しいおばあさんがいた。もしかしたらその言葉が響くかもしれない。だけどこうも思う。あいつはギャンブルと風俗と酒にしか興味ないかもしれない。そんな奴に自然の尊さを説いて通じるだろうか?難しいのではないか。田舎に住む友達が昔、登山に無理やり誘おうとする自分にこう言った事がある。「田舎の人間は山も雪も見たくもない。山なんか登るのは、都会の人間だけだ」

沖縄の人もそうかもしれない。都会の人間がリゾート地にやってきて喜んでさんざん遊んで、でも環境破壊はいけないよね、もっとサステナビリティなものを作らないとねと言われたら「うるさいわボケ」ってなるかもしれない。もちろん地元の人が自然を大切にするべきだという活動をしてる事はとても素晴らしいと思う。でも警備の若者に他の仕事しろ、というのは酷かな、車で北部をドライブしてたら自分にとっては素晴らしく美しいところなんだけど、ここで生まれて育ったひとは都会にあこがれてテレビやSNSで話題になるようなものに憧れるのではないかと。

自分は山が好きで色んな僻地と呼ばれるようなところによく行ってたんだけど、どんな田舎でも夕方になるとデイサービスの車が走っているものだけど北部ではデイサービスの車は一台見かけただけだった。仕事が少ない。選べる余地はとても少ないと思う。これを解決するのも政治の仕事のはずで、沖縄振興策というのが一部の利権を持つ人にだけ行き渡ってないということですよね。

高江に集まってるのは本土の左翼活動家ばかりだと週刊誌にかかれていました。本土の人ばかりではなく那覇やうるまやその他の沖縄県内の人が多いという印象でしたが仮に本土の人間が沢山いて監視するということの何が問題なのかわかりません。マジョリティーが暴力を振るっているときにマイノリティだけで解決しろって無理なんです。沖縄の問題と言うより本土の問題を沖縄に押し付けているのが政府の回答なのですごく変な話です。

自分は障害者の介助を生業にしています。障害を持つ人が世の中や政府に伝えたいことの一つとして「私達のことを私達抜きで決めないで」というスローガンがあります。高江も高江の人抜きで決めていいんすかね。だめだと思いません?

機動隊に「土人」と言われた目取真俊さんが書いた「目の奥の森」という小説があります。戦後すぐの沖縄が舞台のその小説の中である女性が米兵にレイプされる。その村の女性を揶揄したりからかったり更にはレイプしたりする人間のクズみたいな村の人がいる一方で、たった一人で銛を持ってレイプした米兵に立ち向かう若者が出てきます。あとずっと傍観している村の大人。

今の世の中そのものです。